2025年6月某日。私は長野の軽井沢にいました。
朝5時に横浜を出発し、7時30分には駅に到着。
そこからさらにバスに揺られて目的地へ。
快晴に恵まれたこの日。澄んだ空と青々とした緑の中を歩きます。
訪れたのは「軽井沢レイクニュータウン」。
「人間と自然の創造的調和(クリエイティブハーモニー)」をコンセプトに1962年より開発が始まったリゾート別荘地で、敷地内にはまもなくバラが見頃となる「軽井沢レイクガーデン」や、カフェやレストランなどのお店も出店しています。
その一角にある「日々」という店舗を借りて"一年だけ”営業する北欧カフェが、2024年9月にオープンしました。
一年が終わる前にどうしても、どーーーーーーしても行きたくて、
ついに今しかない!と弾丸日帰り旅を決行。
念願の「一年」さんで朝食をいただいてきました。
その日のことを綴ります。
フィンランドのシナモンロールとサーモンスープのお店『一年』
フィンランドに1ヶ月滞在した料理家の店主さんが、その豊かさや文化、美味しさに魅了され、味わった心地よさを伝えたいとフィンランドをコンセプトにしたお店をはじめました。
2025年8月末までという一年限定ということで、名前はそのまま「一年」。
フィンランドのシナモンロールとサーモンスープをメインに、地元の食材を取り入れた季節の味を提供します。
木の温もりが温かい、ナチュラルな店内。
軽井沢の自然と一つになったような、のびのびできる空間にホッとします。
テーブルの上に飾られた草花も色鮮やかです。
余白の中に点々と置かれた本や雑貨。
棚に並んだ本の中にもフィンランドや北欧にまつわるものがいくつか。
私もフィンランドに行きたいなあ。
そう思いながら訪れた軽井沢のフィンランド。
トレイに整列したシナモンロールが表情豊かでなんともかわいらしい…
こんがり色づいてとってもおいしそう!
私も焼きあがったばかりのフィンランド式シナモンロールをさっそくいただきます。
伝えたい思い出の味。シナモンロールとサーモンスープ
いただいたのは
・サーモンスープ(単品)
・フィンランドのシナモンロール
・ホットコーヒー(一年ブレンド)
あこがれのメニューが目の前に並んだ時の感動たるや。
嬉しくて嬉しくて、顔がにやけまくりです。
落ち着いたトーンで料理を包み込む北欧食器のやさしい風合い。
ペーパーナプキンが使われているところも素敵で、一気にフィンランド気分。
一年ブレンド。
香ばしい香りで苦味は穏やか。
ゆったりと流れる時間をそのまま一杯に落とし込んだようなコーヒーです。
シナモンロールとの相性はもちろん最高!
サーモンスープ。
ごろごろの野菜とサーモンの旨味が染み出たスープで体が温まります。
ディルの茎まで入っていて爽やか。
ミルクがこってりしすぎず、さらっといただけます。
じゃがいもも大きく食べ応えがありますが、フルサイズでちょうどよかったです!
塩加減も絶妙で、甘いシナモンロールとも合っていました。
スープはパンとお惣菜が付いたセットメニューや、ハーフサイズも選べます。
そういえば信州もサーモンが有名ですね。
昔長野の親戚(父が長野出身)が畑で育てたじゃがいも・人参・玉ねぎをたくさん送ってもらっていたのも思い出しました。
長野はライ麦や全粒粉などのハードなパンも多いので、北欧の食文化と似ているかもしれません。
フィンランドのシナモンロール。
この子に会いたかったんです…!
手で持つにはまだ少し熱いできたてほやほや。
シナモンロールも冷めませんが興奮も冷めやらず、待ちきれない!とばかりにかぶりつきました。
表面はカリカリと香ばしい…
牛乳仕込みのリッチな生地はしっとり伸びて、口内に充満する甘い香りにうっとり。
生イーストを使用しているので風味が良くスパイスが引き立ちます。
シナモンが高らかに香ったあと、そっと顔をのぞかせるカルダモンの爽快感。
パールシュガーのザクザクが楽しく、音と共に広がる甘さが味に奥行きを持たせます。
ミルキーな口溶けと澄んだ味わいが朝にぴったり。
夢中で食べていたので気づいたらなくなっていました。
「旅の体験を表現したい」。想いが伝わるおもてなし
コーヒーは一杯おかわりOKとのことでお願いし、シナモンロールの余韻に浸りながらじっくりと味わいます。
店主さんがおかわりを注いでくれる姿に、フィンランドのカフェに行ったらこういう感じなのかなあ…と見たこともないフィンランドの景色を想像。
片道たったの2時間半で、私は海外旅行をしたみたい。
シナモンロールは私を連れ出し、知らない世界を見せてくれる。
私にとってシナモンロールとはそういう存在なのだと、改めて実感します。
一年だけ、軽井沢に現れたフィンランド。
店主さんが現地で感じ取った心地よさがお店に流れる空気からも伝わってきますし、
なにより店主さんの気さくでおおらかなお人柄もお店のコンセプトととても合っていて、勝手にですが、なるべくしてなったお店なのではないかと思いました。
もし叶うなら、またここでフィンランドを感じたい。
帰宅してもまだふわふわした気持ち。
お持ち帰りしたシナモンロールを見つめ、匂いを嗅いで、湖に現れた蜃気楼ではないことを確信。
このシナモンロールは自然が似合う気がするので、山下公園にでも持って行ってベンチで食べようかしら…
スタンプもかわいいので袋も残しておきたかったです。
軽井沢は世界旅行ができる街だった
お店からすぐ近くに、スイスとフランスにまたがる湖を模して造られた「レマン湖」があります。
湖畔にベンチがあって、フィンランドに居るような夢見心地です。
途中にもちらっと書きましたが、私の父は長野県出身。
父のふるさとは軽井沢を通り過ぎた先で、親戚もあちこちに住んでいるので軽井沢は初めて訪れた街でした。
自然の豊かさはもちろんのこと、美術館も多く、一クリエイターとしてはとても刺激になります。
この日はお昼過ぎには出発しなければいけなかったので、美術館をまわって旧軽井沢銀座通りへ。
レトロな街並みが素敵な商店街ですが、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、ネパールなどなど…いろんな国の文化があってとても楽しかったです。
もちろん信州といえばの保存食、伝統の味を届ける老舗もたくさん。
栗のお菓子やおこわで有名な竹風堂さんの「方寸」は私の中で長野土産の大定番。
長野のお宿でお茶菓子にこれが置かれているとものすごくテンションが上がります!
あと信州味噌や醤油豆、野沢菜漬けにおやき。
くるみだれと蕎麦はセットでおすすめしたいです。
やはり私には長野のDNAが刻まれているような気がします。笑
親戚から自家製味噌とお漬物もいただいていたので、我が家では信州味噌が根付いてます。
とはいえ広い広い長野県ではまだ行ったことのないところばかり。
もっと長野のことを深掘りしたくなりました。
本場の味を再現しつつも、地元の人たちの日常に寄り添った自然体な雰囲気が素晴らしい「一年」さん。
幸せな朝をありがとうございました!
フィンランドのシナモンロールとサーモンスープのお店『一年』
場所:軽井沢レイクニュータウン内
営業時間:木〜日曜日8:30〜14:00頃